スタンドアロン無冷媒マグネットつまり"ドライマグネット"


  • GM回路冷凍機を用いて、ボアの向きが垂直あるいは水平となる、最大18Tの室温ボアのスタンドアロンマグネットを実現
  • 57mmの冷却ボア
  • 1/10^3の磁場均一性
  • "従来型のウェット型"あるいは"無冷媒"の低温インサートと統合することができます(下のアプリケーションの例を参照)
  • 新しいMercuryiTC温度コントローラやMercuryiPS電マグネット用電源を用いることが可能

低温共焦点顕微鏡法

低温共焦点顕微鏡法

ケンブリッジ大学、キャベンディッシュ研究所のM. Ediger*、R. T. Phillips 両氏による高磁場での単一量子ドットの三次元g因子マッピング。

C極低温共焦点顕微鏡は、半導体量子ドットの研究のために不可欠なツールとなっています。その上、高磁場を試料に印加し、試料を磁場中で回転することができれば、磁気光学分光によって、より多くの情報が得られます。
このような情報を得られるよう、彼らは優れたファイバベースの共焦点顕微鏡を開発することで[1]、磁気フォトルミネッセンス(PL)によりInGaAsの量子ドット(QD)のようなナノ構造の性質を調べています。
当社の製品は、単一QDに焦点を保ちつつ、試料を任意の傾き角で回転でき、低温で最大10Tの磁場に対して回転することが可能なように設計しています。励起子発光[2]のモデル化のために、電子と正孔およびそれらの交換パラメータの完全な3次元g因子テンソルを抽出することができます。
この新しい方法は、顕微鏡の位置決め機能を用いてドットを選ぶことができるよう改良されています。

実験セットアップ:

セットアップには、2つの特注のオックスフォード・インストゥルメンツ社のユニットが含まれています。
•110mmの室温ボア付き10 T無冷媒超電導マグネット
• 動的な交換ガスと共焦点顕微鏡の回転部を収容できる85mmの試料スペースが付いた、ヘリウム浴クライオスタット。
顕微鏡用クライオスタットは、振動断絶型光学テーブル上に取り付けられています。クライオスタットのテールは約1mm径のマグネットボアに挿入されます。
マグネットシステムの真空缶は実験室の床面に置かれており、そのため、2つのクライオスタットシステム間を直接的に結び付けることはありません。

彼らは光学テーブルを浮かべなくとも、マグネットの閉回路冷却ヘッドと共焦点顕微鏡との間の振動の分離が高い水準で達成されており、同じ単一ナノ構造を数日間、数週間のスケールで研究可能であるということを発見しました。
CryofreeRマグネットは、室温から約48時間冷却の後に使用可能となり、数か月間の持続冷却が可能です。
顕微鏡のクライオスタットの保持時間は、通常の操作で約4日間で、実験中でも試料空間の光学的アライメントを乱すことなくヘリウム貯留槽の再充填が可能です。
クエンチ時には、クライオスタットから逃げ出す液体ヘリウムがないため、通常の動作温度へと非常に迅速に回復します
共焦点顕微鏡は、掃引時流れる渦電流による力の影響を最小限に抑えるよう設計されています。
また、実際、クエンチ前後で1ミクロン未満の変位しかなく、クエンチ前後で同一の光学的機能を持つよう光学系を保つことが可能です。

実験結果

Figure 1 shows the emission of a neutral exciton of a single InGaAs quantum dot tilted to 45° with respect to a magnetic field of 0 to 10 T at a temperature of 4 K.
図1は、4 Kにおいて、0から10 Tの磁場に対して45°に傾いた単一InGaAs量子ドットの中性励起子からの発光の様子を示しています。強いアッパーダブレットはブライト励起子によるものです。一方、2Tから現れる薄い線は主に、暗い遷移からの寄与によるもので、ブライト状態との磁場によるミキシングによって観測可能になります。
I標準的な磁気PLセットアップがファラデージオメトリ(0°傾斜)で使用されていた場合、回転対称ドットであるためにこのミキシングは観測できません。傾斜角度が45°付近の測定のもう一つの注目すべき特長は、ブライト線とダーク線が半交差しているという点で、本ケースでは約5 Tで観測されます。
図2に示すように、正確なモデリングから得られたスプリットの大きさは、面内ホールg因子[5]により支配され、また、面内ホールg因子を直接的に調べることができます。これは長寿命ホールスピンを用いた量子情報処理の新たなアイデアとして重要なパラメータです。

結論

私たちは、さまざまなナノ構造に適応可能な技術を開発し、波動関数の形状(反磁性シフトから推定)に関する詳細な情報を与えました。
また、それぞれのナノ構造における3次元閉じ込め特性を調査することにより、ブライトスピンとダークスピン、そして、構造の情報についても詳細な情報を与えました。

References:
[1] T. Kehoe, M. Ediger, R. T. Phillips, and M. Hopkinson, Rev. Sci. Instr. 81 013906 (2010)
[2] H. W. Van Kesteren, E. C. Cosman, W. A. J. A. Van der Poel, and C. T. Foxon Phys. Rev. B 41 5283 (1990)
[3] A.G. Steffan and R. T. Phillips, physica status solidi a 190 541-545 (2002); Physica E 17 15-18 (2003)
[4] R.T. Phillips, A.G. Steffan, S.R. Newton, T.L. Reinecke and R. Kotlyar physica status solidi b 238 601-606 (2003)
[5] I. Toft and R.T. Phillips, Physical Review B 76 033301 (2007)

低温インサートの完全装備

グラフェン研究のための、完全装備低温インサート付きのスタンドアロン無冷媒マグネット:

サラマンカ大学のDr Enrique Diez はグラフェンの研究を行っていますが、彼はユニークかつ柔軟な無冷媒インサートをセットアップしており、4Kクライオスタット、300mKHe3インサート、10mK希釈冷却器三つとなります。 すべてのインサートには互換性があり、12T、55㎜のスタンドアロン無冷媒マグネットに合わせることができ、一つのクライオスタットで寒剤を利用することなく10mKから40Kまで連続的な測定が可能です。
Dr Diezは、以下のように言っております: "本セットアップは、私たちが行う必要があるタイプの実験に対して完璧な柔軟性を誇ります。私たちは、クライオスタットを変更することなく継続的にミリケルビン温度から室温まで測定を行うことが可能です。利便性だけでなく、本装置は、私たちの測定結果の精度を保証します。
また、室温での量子ホール測定用にスタンドアロンマグネットクライオスタットを使用できます。これは、グラフェンとして特に有用です。グラフェンとは、Dr. Geim とDr. Novoselov(物理学賞2010年ノーベル賞受賞者)によって初めて作られた新素材で、室温において室温で量子ホールプラトーを示します。”
運用コストの削減やヘリウムという希少な資源の非常に簡単な操作が可能という利点もあります。
Dr Diezは、ここ数年間グラフェンの磁気抵抗特性の研究に取り組んできました。彼はグラフェンにおけるプラトー-プラトー転移あるいはプラトー-絶縁体転移の温度依存性を詳しく測定してきました。彼は、グラフェンのプラトー - 絶縁体量子相転移のスケーリング指数を初めて測定しました。

ダウンロード&詳細情報

当社のCryofreeマグネット製品のガイドをダウンロードするにはここをクリック

関連するプロダクト