ミューオン共鳴(μSR)分光用3T高均一磁場マグネットシステム

このマグネットシステムは、ミューオンスピン共鳴分光において、お客様の新しくアップグレードしたビームラインに対応するために、2009年に提供されました。本マグネットシステムは、高い磁場均一性と低いドラフト率を誇る3Tスプリットペアマグネットで、低損失クライオスタットのテールセットに取り付けられています。

マグネットは高レベルでの磁場均一度の補正をするように、独立シムコイルを内蔵しています。本製品の用途においては、残留磁場効果を取り除くことが重要であるため、"ゼロ磁場'コイルがマグネット内部に配置されています。

クライオスタットは、オックスフォード・インストゥルメンツの標準的NMR用低損失クライオスタットに基づき、お客様のシステム仕様に関する特定の要件に合うよう修正を加えております。そうすることで、 14日以上の液体ヘリウム保持時間を実現しています。室温でのアクセスは水平面内の2つの直交する方向に沿って設けられています。サンプルクライオスタット用の真空封止面と取り付け穴は、ビームラインと検出器とを統合できるようにボア管端のフランジに備わっています。 3 Tesla high homogeneity magnet

本マグネットシステムの成功の鍵は、クライオスタットテール内にあるマグネットコイル(右)の、非常に厳しいクリアランスと高精度なアライメントの要件を達成する点にあります。ボアの両端の磁場プロットを比較することで、ボアの軸と比較した磁束密度ベクトルの角度偏差は0.03°未満と算出されています。これは、要求事項が0.2°未満であるのと比較して非常に性能が高いものとなっています。

ミューオンスピン共鳴(μSR)分光法

μSR分光への広範なアプリケーションとしては、磁性材料、半導体、超電導体のより深い理解を得るよう、バルク材料の原子レベルでの構造や運動のプロセスを調べる強力な磁気プローブとして用いることができます。 正ミューオンのビームは、ビームを照射された材料内にできる局所磁場の周りで、歳差運動しながら整列するスピンによって作られます。ミューオンは崩壊してポジトロンになり、ポジトロンはミューオンスピンの方向に放出されます。 ポジトロンが放出された方向を測定することにより、試料内部の磁場がミューオンのスピンにどのような影響を及ぼしたか調査することができます。