希釈過程

He3とHe4の混合物が870 mK以下に冷却されると、これらは2つの相に分離します。軽い '濃縮相’はヘリウム3が豊富で、重い'希薄相は 'He4が多いです。各相におけるヘリウム3の濃度は温度に依存します。二相でヘリウム3のエンタルピーが異なるので、濃縮相から希薄相He3が蒸発する際に冷却効果を得ることが可能です。

これらの濃縮相と希釈相の分離や相境界は、冷却プロセスが起こるミキシングチャンバー内にできます。

連続冷却を確立するためには、He3が相境界に連続的に流れ込むようにせねばなりません。これは、ミキシングチャンバー外の温度を変えず、希釈相の温度を約700mKに上げることで達成できます。この温度でのHe3の蒸気圧はHe4の2ケタ高く、ヘリウム3は、優先的に外部室温機械ポンプや木炭吸着ポンプにより用いてポンプされます。こうして使い古されたヘリウム3は1Kポットで凝縮し、stillで予冷され、その後連続熱交換器と熱交換することによりさらに冷却され、約150mKになります。その後、いくつかの銀焼結工程との熱交換により、100mKから20mKまで至り、そしてミキシングチャンバー内へ戻り、プロセスへと再度組み込まれます。

発熱から冷却プラットフォームを保護するため、希釈ユニットと1Kポットは、ミキシングチャンバーの下で熱交換器と試料スペースを囲んでいるstillや100 mKのコールドプレートからの放射を防ぐシールドにより囲まれています。

このような注意深い設計によって、5 mK以下の温度を希釈冷凍機により達成しています。

KelvinoxMXのデザインは、希釈冷凍機の極低温サイクルと実験用配線のセパレートを可能にします。実験用インサートはプライマリインサート上の50mm巨大視線ポートを使用して、室温で入れ替えが行なわれます。実験用インサートがプライマリインサートと位置合わせされれば、熱ストラップが2つを一緒に固定します。これらの熱ストラップは最適な熱リンクを保証しつつ容易に使用できるよう設計されています。プライマリーインサートと実験用インサートとの間の封は、トップ位置でのOリングシールとIVCフランジ位置での斬新なインジウムシール設計によるものです。そうして、本システムは標準的な希釈冷凍機として冷却することができるようになります。